私は、富良野市に住んでいる主婦です。実は、5年ほど前から、夫に内緒で消費者金融会社からの借金を繰り返し、債務の総額が400万円を超えてしまいました。先日、夫に打ち明けたところ、弁護士さんに相談して、債務を整理しようということになりました。債務整理の方法にはどのようなものがあるのか教えてください(38歳・主婦)。 |
個人の方の債務整理の方法には、大きく分けて①任意整理②自己破産③個人再生の3つの方法があります。それぞれの方法のおおまかな特徴や長所・短所について見てみましょう。
①任意整理
任意整理とは、多重債務等によって、約束どおりの返済が困難になった場合に、債権者(貸主)と支払金額や支払期間について交渉し、新たに返済の約束をするという方法です。
②③の手続きと異なり、裁判所を利用する手続きではなく、あくまでも債権者との話し合いによる解決の方法です。
任意整理のメリットは、②自己破産や③個人再生のデメリットを避けながら、利息制限法に従った引き直し計算や金利のカット等により、そのまま返済を続ける場合に比べて実際に返済する金額を減額することができるという点にあります。最近、話題の過払金の返還請求もこの任意整理の手段の一つといえます。
②自己破産
自己破産とは、債務者が経済的に破綻した場合に、債務者の現在及び将来の収入・財産によって借金を返済することが著しく困難であることを裁判所に認めてもらい、高価な財産を処分する代わりに、法的に借金をなくしてもらうという方法です。
自己破産の最大のメリットは、一定の例外を除く一切の借金の返済義務が法的になくなる、すなわち借金がゼロになる点にあります。
これに対して、デメリットとしては、自己破産の手続中に限り保険の外交員や警備員などの一定の職種に就くことが制限されることや、持家を手放さなくてはならないことがあります。もっとも、自己破産したことが戸籍や住民票に載ることはありませんし、選挙権・被選挙権が失われることもありません。
③個人再生
個人再生とは、裁判所に手続開始決定を下してもらい、一定の計算方法に従って一定額を通常3年間で弁済する再生計画を立案して、その計画に従ってその期間、各債権者に対して弁済することで、残りの債務をカットしてもらうという方法です。
自己破産と比べての個人再生の最大のメリットは、住宅ローンがあっても持家を手放さないことが可能であることです。もっとも、この方法は、安定した収入がなければ利用できません。
いずれの方法を採るべきかの判断は、借金の内容だけではなく、その人を取りまくさまざまな事情(家族構成、仕事、健康状態、住居等)によっても変わってきます。まずは、一人で悩まないで、弁護士に相談してみることが重要です。 |