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株式会社の「特別清算」手続について

株式会社の法的整理の一方法として「特別清算」という制度があるということを聞きました。この制度を利用して、私の経営する会社を整理したいと思っています。「特別清算」の具体的な手続について教えて下さい。(Mさん・56歳・株式会社経営)

今回は、株式会社の「特別清算」の手続の概要及び特色について簡単に説明します。

「特別清算」手続とは、通常の清算手続を行っている株式会社について、清算の遂行に著しい支障を来すべき事情または債務超過の疑いがある場合に、利害関係人の申立により開始し、裁判所の監督のもとにおいて行われる法的清算手続です。

この手続が利用される場合としては、(ア) 簡易な清算型の倒産手続として利用される場合や、(イ) 親会社が業績不振の子会社の清算を行う際に課税上の利益を得るために利用される場合などがあります。

この手続の基本的な概略としては、①利害関係人による特別清算の申立後、②清算人が協定案を作成し、③債権者集会において出席債権者の過半数及び総債権額の3分の2以上の同意を得て協定案が可決され、④清算人が協定案に従った弁済を行うという流れになります。

特別清算手続は、裁判所を介しての清算型の倒産手続であるという点においては、破産手続とも共通しますが、以下の3つの点において、破産手続とは異なった特色を有しています。

① 適用対象は株式会社
まず、破産手続の場合は、個人及び会社のいずれも適用対象となりますが、特別清算手続は、個人等は適用対象とならず、株式会社だけがその適用対象です。

② 債権者の同意が必要
次に、破産手続の場合は、債権者の同意は必ずしも絶対条件ではありませんが、特別清算手続では、弁済計画の策定について、債権者の一定の同意が必要です。

③ 予納金が低額
最後に、破産手続の場合は、かなり高額の「予納金」(裁判所に予め納める費用)が必要となりますが、特別清算手続では「予納金」は比較的低額で済みます。

もし、株式会社の法的整理を考えている経営者の皆さまがおりましたら、その選択肢の一つとして、「特別清算」手続というスキームも検討してみてはいかがでしょうか。