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破産管財人とは?

 私は、旭川市内で個人事業の衣料品店を経営していたのですが、長引く不況によって売り上げが激減し、借金の返済が困難になったため、A弁護士に依頼して、裁判所に自己破産の申立をしました。

ところが、このたび「破産管財人」として、B弁護士が選任されたとの連絡がありました。いったい、「破産管財人」というのはどのような立場の人なのでしょうか、教えてください。(Mさん・34歳)。

 今回は、破産手続における「破産管財人」についてのご質問です。

「破産管財人」(はさんかんざいにん)とは、破産手続において破産財団に属する財産を管理・処分し、換価し、届出のあった債権について必要があれば異議を述べ、換価金を破産債権者に配当するなどの事務を行う者をいいます(破産法第2条第12項)。
破産手続が開始されると、破産者は自らの財産を管理処分する権限を失いますが、破産者が不動産・預貯金等の一定のめぼしい財産を有している場合、それらの財産を清算・換金するとともに、債権者に対し、公平な分配をしなければなりません。

そこで、破産者にそのような財産がある場合には、裁判所は、選任候補者として登録されている弁護士を、破産管財人として選任し、その役割にあたらせることになります。破産管財人に必要な資格については、破産法上特に規定はありません。しかしながら、破産をめぐる処理には法的知識と経験が不可欠であり、実際には、弁護士が選任される場合がほとんどです。

結局、破産管財人の最も重要な役割は、破産者に代わって財産を管理し、財産を処分・換価し、債権者への公正・公平な配当を迅速に実現することにあるといえます。
破産管財人は、破産者の財産を手続終了まで管理していかなければならないため、その過程で、必要であれば、訴訟を提起したり、逆に起こされた訴訟を受けたりする立場に立つこともあります。


相談者のMさんのケースも、過大な債務があった反面、不動産・預貯金等の一定のめぼしい財産があったために、裁判所が破産管財人としてB弁護士を選任したものと考えられます。

 Mさんとしては、今後の手続において次の点に注意してください。

①まず、破産者Mさんには破産管財人に対する説明義務(破産法40条)があることから、破産管財人の調査に協力しなかったり、破産管財人の質問に対して虚偽の事実を伝えたり、免責の有無に関わる重要な事実や債権者の存否・財産の有無について秘匿したりすることは免責不許可事由となり、場合によっては、破産犯罪に当たりうることに注意が必要です。

②また、破産者Mさん宛ての郵便物は破産管財人に転送されて破産管財人が開封すること(破産法81条・82条参照)になります。これは、破産管財人が破産財団に属すべき財産を発見し、また破産者の財産隠匿行為を監視・防止して、破産財団の充実を図るためです。

③さらに、破産者Mさんには住居制限が課され、転居や長期の旅行には、裁判所の許可が必要です(破産法37条1項)。