私は、結婚7年目になる主婦です。私たち夫婦には、家族ぐるみでお付き合いしているA夫婦がおり、A夫婦とは、キャンプやホームパーティーを一緒にやったりしています。 |
さて、そもそも、配偶者と不貞行為をした相手方に対して慰謝料を請求することはできるのでしょうか。
現在、諸外国においては、不貞行為の相手方に対する慰謝料請求を認めない国が増加しているようです。
しかしながら、わが国においては、配偶者の不貞行為を根拠としてその相手方に対して、他方配偶者が不法行為(民法 709 条)に基づく慰謝料請求をすることができるというのが、明治時代以来の一貫した判例となっています。
最高裁判所は、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持った第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によって生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方配偶者の被った精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである」と判旨しています(最高裁昭和 54 年 3 月 30 日判決)。
なお、実際に裁判で認められる慰謝料の金額は、一般の方々が思っているよりも低く、 50 万円から 150 万円くらいの間の場合が多くなっています。
本件の場合、Hさんは、Aさんの奥さんに対して慰謝料請求をすることが可能であるといえます。しかしながら、逆に、Hさんは、Aさんの奥さんから慰謝料請求をされてしまう立場にもあります。この場合には、裁判等でお互いに争ってみても、あまり得られるものはありません。
わが国の婚姻制度が一夫一婦制をとり(民法 732 条、刑法 184 条)、不貞行為が離婚原因とされている(民法 770 条 1 項 1 号)ことに照らしても、不貞行為は断じて許されるべきものではありません。
本件のような事案は、若干特殊ですが、一般的には、配偶者の浮気相手に対しては、慰謝料請求ができます。まずは、弁護士等の法律の専門家に相談してみるとよいでしょう。 |